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仕事柄いろんな会社のエンジニアと一緒に作業をすることが多いのですが、ここ10年くらい顕著に感じるのが若い(20代)エンジニアの技術力の低下です。一言で言うと社内で系統だった教育がなされていないように感じます。これは、プロパーな社員が減り派遣社員のようなテンポラリーな社員が増えてきた時期と重なるような気がします。

自社で求人をかけた場合にも同じ事が言え、スキルシートという内容がよくわからない書類にそれは大層に横文字が踊っていますが、面接で少し突っ込んだ質問をすると、単に触ったことがあるとか知っているといった程度で、とてもスキルと言えるような内容ではありません。まぁ、技術的な内容はわからない単なる人事部門をクリアするにはあの程度の書類でいいのかも知れませんが…

その技術力の低下というのが、単なる表面的な話ではなく、スポーツで言えば基礎体力にあたるベースとなる考え方がしっかり身についていない、もしくは教育そのものがされていないような気がして、問題の根が深いように感じます。
即戦力の名の下に、単なる機械の操作や設定方法を詰め込み、これをスキルと称している傾向が強く、何をするにしても指示がなくては動くことが出来ず、自分で新しい技術を切り開くという気概など、どこか遠い世界の話です。

どんな世界であれ一つの仕事をきっちり出来るようになるにはそれなりの時間と手間が掛かるのが当たり前なのですが、スキルアップとかキャリアパスとかいう呪文を唱えながら、2~3年で派遣先の会社を点々とするエンジニア(もどき)が非常に目に付きます。

次にエンジニアを雇い入れる企業側のことを書いて見ましょう。実は、これも上に書いた派遣中心の供給側と似たり寄ったりで、とにかく人を育てようという気持ちが、まず欠如している場合が多いように見受けられます。お金を出して、そのとき必要なスキルを買う… といった感覚で派遣会社より人を受け入れているようにさえ感じてしまいます。これは人間をモノのように扱う昨今の風潮にも合致するのですが、派遣会社に払う費用=人間のスキルだと思ってみたり、これは別の言い方をすれば、だめになったらまた同じ費用を払って人を入替えれば良いという、まるで壊れた機械を入替えるような設備更新的に人を扱っているとも言えるでしょう。

結局は、技術部門にエンジニアの技術的レベルをしっかり目利きのできる人材が圧倒的に不足しているのが一番の原因なのですが、企業の経営層の方々はそろそろ会社は人であるという当たり前の原点に立ち返り、人材育成という時間的スパンが長く短期的には効果がすぐには表面化しない施策をどう会社の業務に織り込んで行くか真剣に考える必要が あるのでは? …と、非常に危機感を持って最近は考えています。