TDR Nova の設定について追記しました。

今回は SHOWROOM というサービスで、手元にある PC から動画配信する場合、中核となる OBS というソフトウェアの設定方法や、マイクロフォンの選び方について書いてみます。私が使っている PC での設定方法なので、あくまで参考ということでお願いします。

単に音声とカメラ、そして BGM 等を使用する配信であれば、SHOWROOM の推奨設定で何ら問題ありません。ここで解説するのは、あくまでゲーム配信等、CPU 負荷が高い場合においての設定方法となりますので、ご注意ください。

検証環境(配信用 PC)
     CPU              Intel Core i5-8600K (6C/6T 3.6GHz)
     マザーボード       MSI B360I Gaming PRO AC
     メモリー          16GB
     グラフィックボード  MSI GeForce GTX 1070
     OS               Windows 10 Pro 64bit

以下の設定では、一番負荷のかかる H.264 へのエンコードを CPU ではなく、グラフィックボードのエンコードエンジンを使います。これはハードウェアでエンコード処理を行うので、非常に高速で、ホスト側の CPU には一切負荷が掛かりません。また、このエンコードエンジンは、メインで使うグラフィックエンジンとは独立しているので、エンコードの処理中であっても、グラフィックボード本来の処理が遅くなることはありません。

 OBS の設定 出力

配信を選択して、以下の様に設定します。

エンコーダ        NVDIA NVENC H.264(new)
    配信サービスのエンコーダ設定を適用する ON
レート制御        VBR
ビットレート      1000Kbps
最大ビットレート   10000Kbps
キーフレーム間隔   2
プリセット        Max Quality
Profile         high
    Look-ahead         OFF
    心理視覚チューニング  ON
GPU             0
最大Bフレーム     0

試行錯誤してみましたが、FPS系のゲームのような背景の動きが激しい動画では、レート制御は可変(VBR)にして、上り最大 10Mbps 程度は必要な感じがしました。あまり動きがなく、ゆったりした画面遷移であれば 5Mbps 程度でも十分だと思います。

 追記 2019/08/28

OBS から配信サーバへの通信について、VBR を使った場合でも、ある一定値から上がらないことがわかりました。
特に、配信サービスのエンコーダ設定を適用する を ON にすると、SHOWROOM の推奨値である 1Mbps が上限値となり、OFF にした場合でも 1.3Mbps程度までしか上がりません。YouTube はもっと高いビットレートで通信できるので、ゲーム配信を行う方が SHOWROOM では少なく、YouTube での配信が多い理由がやっとわかりました。

 OBS の設定 録画

エンコーダ (ストリームエンコーダを使用)

 OBS の設定 音声

音声ビットレート 128 ※全てのトラック

 OBS の設定 映像

基本(キャンバス)解像度 1920 x 1080
出力(スケーリング)解像度 1280 x 720
縮小フィルタ ランチョス(先鋭化スケーリング、32のサンプル)
FPS共通値 30

 マイクロフォンの選定と OBS への設定

配信や録音といえば、本来は環境音や反射音が無い静かなお部屋が必要なのですが、素人が配信する場合、そのような環境を用意することは難しかったりします。現に私の部屋では物理サーバが数台稼働しており、ファンノイズと空調音で結構うるさかったりします。こういう環境であっても、マイクの選択やOBS の設定を工夫することで、なんとか配信に使える状況にはもっていけるので、その辺のやり方というか Tips です。

まずはマイクの選択です。マイクの種類について書き始めると、とてもこのブログには収まりきらなくなるので、まずは無指向性と単一指向性だけチェックしてください。スマホの付属品にあるイヤフォンマイクは、無指向性の代表です。360度環境音を含めて、回りの音を全て拾います。
※下の写真では、一番右の四角い部品にある小さな穴に、マイクロフォンが収容されています。

次に単一指向性のマイクと言えば、カラオケ用マイクといえばピンとくると思います。マイク正面の音だけを拾い、それ以外の方向(横や後)からくる音に対しては、感度が悪いというか原則拾いません。

例えば、私の部屋で無指向性のマイクを使うと、このような状況になり、マイクへ向かって話をしていない、つまり配信的には無音状態でも、実際に拾っている環境音(ノイズ)は、-20dB を超え、黄色の部分までピークメータが振れています。この場合はノイズが大きすぎて、残念ながらこのマイクを使っての配信は無理でした。

無指向性マイクのノイズ

それでは、単一指向性(カーディオイド)のマイクを使った場合はどうでしょうか?
これは現在配信で使っているマイクで、Windows 上のマイクのプロパティにおけるレベルは 100 の時には、ノイズレベルが -30dB 程度です。これならば、なんとかなりそうなので、下記手順でマイクの設定を行います。

単一指向性マイクのノイズ

Windows上のマイクのプロパティのレベルを100から下げていき、ノイズレベルを -40dB 以下に抑えます。このマイクではレベルを 70 にしました。

マイクレベルを絞った時

次に、OBS の設定です。マイクのフィルターにノイズ抑制を追加します。ピークメータを見ながら、ノイズ抑制の設定値を変化させます。今回は -8 に設定すると、ピークメータでは -50dB 以下にノイズが低減されました。

ノイズ抑制フィルターを追加

ノイズレベルがこの程度になると、配信で無音状態になっても環境音(ファンノイズ)は全く聞こえません。まるで静かなお部屋で配信しているようです。ただし、Windows のプロパティで元々のマイクの音量を絞っている(100 → 70)ので、マイクに向かって話すときは、少し声を大きくする&マイクと口を近づける(10cm 程度)必要があります。もし、もう少し普通の声で配信したいときには、マイクのフィルターにゲインを追加して、マイクの出力を持ち上げてみてください。この場合、マイクゲインは 5dB 程度で良いと思います。

他のフィルタについては、説明を割愛しますが、ノイズゲートとかイコライザー調整とかあります。どちらかというと趣味的なフィルターなので、もしご興味があれば、ごにょごにょしてみてください。私は、自分の声のさ行の音が耳障りだったので、1kHz~2kHz の帯域をちょっと絞っています。
※これは TDR Nova という、無料で使えるイコライザーです。ここからダウンロードができます。

イコライザーの設定例

 追記 2019/09/24 TDR Nova の設定

解る範囲で TDR Nova の設定について書いてみます。

 ダウンロードとインストール

ここからダウンロードして、インストールします。Windows版であれば、普通にインストールすると、自動的に必要な場所にプラグインを置いてくれます。

マイクのフィルタを開き、画面下の+をクリックして、VST 2xプラグインを選択し、フィルターを追加します。追加した新しいフィルタをクリックし、右上のメニューから TDR Nova を選択すると準備完了です。

 TDR Nova の設定

このフィルタは無料版であっても、非常に高機能で、私も全ての機能を把握していません。また、その機能にしても実際にどのように音色というか音質に変化を与えるのか、説明するのはとても難しいです。

今回は、SHOWROOM や YouTube でマイクを使って配信する時に、どのように設定すると良いのか?という、限定的な設定内容ですのでご注意ください。

まずは、①ようにI~Ⅳまでのイコライザースイッチを全て OFF にします。
※このようにイコライザーを全て切る事で、PCの負荷を下げ、遅延も最小限に抑えます。

次に、②のハイパスフィルタ (HP) を 40Hz に、ローパスフィルタ (LP) を 20.0kHz に設定します。これは、人間の耳には聞こえない音をカットすることで、マイクから余計なノイズを減らします。

③の THRESHOLD(スレッシュホールド)とは、いわゆるマイクコンプレッサーの設定です。本来、TDR Nova はイコライザー(特定の周波数帯の上げ下げ)として作られていますが、実はコンプレッサーの機能も持っています。

コンプレッサーについては、とても奥が深くて DTM の専門家に教えてもらったのですが、なかなか詳細については理解が追いついていません💦

一般的に、マイクを使う場合、急に大声というか、過大な入力があった時に、何もなければピークメータが真っ赤になって、音が割れてしまいますが、このコンプレッサーという機能が働いていると、瞬時にマイクの入力を下げ、音が割れるのを防いでくれます。

具体的には、①のイコライザーを全て切った状態で、THRESHOLD ボタンをクリックして有効とします。
次に、THRESHOLD(スレッシュホールド)ボタンの真下の値を -5.0dB、右の RATIO(レシオ)を 10.0:1 に、最後に ATTAK(アタック)を 10.0ms、RELEASE(リリース)を 60ms に設定します。

テストをやってみましょう。マイクに向かって気合いを入れ、なにか大声をだしてみます。コンプレッサーが効いてないと、ピークメータが真っ赤になりますが、上記設定でコンプレッサーが ON になっていると、大声を出した瞬間、TDR Nova の画面にある黄色い設定線が、瞬間下に動き、入力を抑えてくれるので、ピークメータが真っ赤なることはありません。録音→再生して、効果を確認してみてください。

最後になりましたが、④で出力ゲインを設定できます。つまり、ここでゲイン調整が可能なので、OBS に標準で用意されているゲイン機能は使わなくても、TDR Nova でコントロールできます。

つまり、マイクに設定するフィルターとしては、ノイズ抑制(必要であればノイズゲート)と、この TDR Nova だけで、最低限のマイク設定は完結します。

 マイクの選定について

配信用のマイクロフォン

配信用のマイクロフォン

最後になりましたが、マイクの選定について補足です。マイクロフォンは、イヤフォンマイクのような簡易的なモノから、数十万するプロ用機材まで、幅のある機材です。個人的には、単一指向性のコンデンサーマイクで PC とは USB 接続するタイプをお勧めします。

マイク端子がピンジャックタイプは、電気的なノイズにとても弱いですし、プロ用機材で使われているキャノン (XLR) コネクタはバランス接続といって、音質はとても良いのですが、PC には直結できないので、マイクアンプまたは USB 接続ポートを持った簡易ミキサーといった、オーディオインターフェースが必要になります。

その点、USB 接続タイプであれば、オーディオインターフェースは必要ありませんし、音声系と電源系は内部的にアイソレート(絶縁)されているので、気軽に高品質な音を扱うことが出来ます。

欠点は、声というアナログ情報をデジタル情報に変換して USB 経由で PC へ送り込むので、PC 上でマイクの音をヘッドフォンなどでモニターしようとすると、音の遅延が発生します。つまり、自分の話した声がちょっと遅れて聞こえてくるので、とてつもなく気持ち悪く、モニターとしては使えません。

もちろん、この欠点を解消するために、USB マイク本体にモニター用のジャックが用意されている製品もあります。
このようなモニター用の出力が用意されている製品では、拾った音がダイレクトに出力されるので、モニター用ジャックにヘッドフォンを接続すれば、遅延のない音で自分の話している声をモニターする事ができます。

最近新しいモニター出力付のUSB接続マイクを購入してみました。そのマイクのレビューは、こちらです。